2022/7/15

Global Antibiotic Research and Development Partnership(グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ、以下「GARDP」)は、このたび、薬剤耐性(AMR)菌感染症を克服するための取り組みに対する日本政府からの継続的な資金拠出が行われたことをお知らせします。

日本政府による資金は、新規抗菌薬の開発が急務であると世界保健機関(WHO)によって特定された「優先的に対処すべき病原体」に対する治療薬・治療法の研究開発を加速するために使用されます。資金はまた、院内感染、性感染症、新生児における感染症の治療薬・治療法の開発、および治療を必要とするすべての人が治療薬にアクセスできるようにするための活動にも使用されます。

日本政府は、2022 年 4 月から 2023 年 3 月までの活動期間に対し、約 2 億円(約 180 万米ドル)の資金拠出を行いました。これは、日本政府が誓約した 2020 年から 2025 年までの GARDP への拠出総額 10 億円の一部です。

「2020 年から始まった、日本政府と GARDP のパートナーシップは、新しい治療薬および治療法の開発と、それらを必要とするすべての人に責任を持って届けるという双方の課題に取り組むことが重要であるとの共通の信念に基づいています。2022 年 5 月の G7 保健大臣宣言で明記されたように、日本政府は、薬剤耐性を多国間における優先事項および重要な健康問題として認識しています。GARDP へのこの追加資金の拠出は、世界規模で薬剤耐性問題に取り組むという私たちのコミットメントを強化する重要な投資 です」と、GARDP  の代表であるマニカ・バラセガラム博士は、日本政府の継続的な支援に対する意義を述べています。

2023 年に G7 の議長国となる日本は、GARDP がその目標を達成するための支援に尽力しています。

「薬剤耐性菌感染症の対策においては、抗菌薬・治療法の研究開発や、それらを必要な方々に届け、適正使用を推進するにあたり、国際的な連携が不可欠です。GARDP  には、世界規模で、政府、産業界、アカデミアのリソースを最大限に活用し、引き続き治療薬の研究開発等に尽力いただきたいと思います。日本政府は、GARDP  への継続的な支援を通じて、薬剤耐性問題を克服するための国際的なイニシアティブを推進してまいります。」と厚生労働省  福島靖正  医務技監は述べています。

GARDP  は、設立から 6 年の間に、敗血症に罹患した新生児の治療およびケアに関する大規模な観察研究を完了するとともに、薬剤耐性淋菌感染症の新規治療薬・治療法の開発において、複数国での大規模な臨床試験(第 3 相試験)を開始しました。

GARDP は本年 6 月 15 日東京で、感染症領域では世界的なリーディングカンパニーである塩野義製薬株式会社との間で、薬剤耐性菌感染症の中でも重篤なグラム陰性菌感染症に対する治療薬、「セフィデロコル」に関する技術移転を含むライセンス契約を締結しました。加えて、Clinton  Health  Access Initiative(CHAI)との 3 者提携契約を通じ、「セフィデロコル」へのアクセス確保に取り組みます。ライセ

ンス契約における実施権は世界 135 カ国を対象としており、対象国には薬剤耐性菌感染症による影響を最も受けている国・地域の大半が含まれています。

GARDP (Global Antibiotic Research and Development Partnership:グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ)について

GARDP  は、健康に最大の脅威をもたらす薬剤耐性菌感染症の新規治療薬を開発するスイスに本部 を置く非営利団体です。抗菌薬を必要とするすべての人が、有効で入手可能な価格で治療を受けられ るようにするため、2016 年に世界保健機関(WHO)および DNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative:顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)により発足し、2018 年に法人格を取得しまし た。性感染症、新生児の敗血症、入院中の成人や子供たちの感染症に焦点を当て、薬剤耐性菌感染症を克服するための新しい治療法を開発しています。GARDP は、20 カ国以上で 60 を超えるパートナ ーと協力しています。またオーストラリア、ドイツ、日本、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、南アフリカ、スイス、英国、国境なき医師団、民間財団から資金提供を受けて活動しています。  GARDP  は  GARDP Foundation として法人登録されています。http://www.gardp.org/